こんにちは!銀猿です。
いつも、僕の拙い文章をご覧頂きありがとうございます。
今日は僕が専業時代に、最もほっこりし、また、最も後悔した日のお話しを書かせて頂きます。
この話しだけは、書いておきたかったので!(^^)!
もしお時間があれば、お付き合い下さい。
どうして?
この日の狙いは花ロマン。
最近お世話になっている機種だ。
設定6を使ってくれているのに、どうにもお客さんから相手にされない。
勿論、こちらとしてはありがたい状況であり、だからこそ狙っていく訳だが。
いつも通り原付に跨り、肌寒くなってきた街を走っていく。
20分後。
無事、開店3分前にお店に到着し、列の最後尾に並ぶ。
並びは相変わらず多めだが、花ロマンに走るお客さんはいないハズなので、ノンビリ構えていられる。
10時開店。
悠々と入店し、狙い台をおさえる。
台を確保した後は開店チェックなのだが、全部で1,000台近くある大型店だけに、いつもながら開店チェックだけでも一苦労だ。
ひとしきり確認してから、いざ勝負開始!
誰もいない花ロマンのシマでペシペシ打っていくが、一台目は残念ながら6ではなさそう。
仕方あるまい、同じぐらい期待していた、もう一台を打診してみる。
同じくペシペシ打っていくが、こちらも手応えなし。
チェリーの解除率も、RTゲーム解除位置も、設定6を示唆してくれない。
さて。
花ロマンは全部で20台。
流石に、全ての台を打つ訳にはいかない。
何より、設定6が「確実にある」とは言い切れない状況。
打てても、食指が動く後一台だけだろう。
一縷の望みをかけて、三台目に挑戦。
祈るような気持ちで打っていくが・・・この台もやはりダメ。
完全に設定6「以外」の挙動を示している。
当然ながら深追い出来ないので、潔くブン投げる事にする。
う~ん。
こうなると、次が難しい。
このお店は諦めて、島唄回遊に出掛けるか?
だが最近は、回遊しても、打てる台を見つけられない事の方が多い。
どうしたものか?
こういう時はとりあえず、長めの昼食を摂りながら考えるのが、僕のスタイル。
かつ丼でも食べながら、次善策を考える事にする。
すると「天からの恵み」ではなく「店からのメール」がやってきた。
内容は、
「○○とニューパルサーに、設定6の空き台があります!」
と、言うもの(もう一機種は忘れた)
コレはありがたい啓示!(お店は神ではないが)
ニューパルの設定6なら、カニ歩きで探す事が出来る。
減算値判別が効くので、ガセも使えまい。
喜んで探してやる!
但し、一つだけ問題がある。
このお店ニューパルは、花ロマンと同じく、20台もあるのだ。
しかも、メールを確認した時点で、ニューパルを打っているお客さんは「0」!
どれから手をつけて良いか、困ってしまう状況だ。
それでも、他に良い手はないので、片っ端から判別していく他ない。
腹を括って打っていく事にしよう。
勝負の前にトイレに向かい、ニューパルのシマに戻りいざ勝負を開始しようとすると、若い男性のお客さんが、左端の台を打っている。
彼もメールを見て打ち始めたのだろうか?
まぁ良い。
コレで逆に分かり易くなった。
コッチは、右端から打っていく事にする。
20台のニューパルは「背中合わせ」ではなく「一列」に設置されているので、両端だけにお客さんが座り、残りの18台は全て空き台という、何とも奇妙な光景が出来上がった。
打ち始めてしばらくすると、逆端のお兄さんがBIGを引いた。
そして、BIGが終わると「カタッカタッカタッ」と、クレジットが払い出される音。
!!!
おっと、彼は減算値判別の使い手だったようだ。
しかし、間に人が一人もいないないと、19台向こうのクレオフ音が聞こえるんだね。
思わぬ展開に少々驚いたが、コレはコレで良いのではないか?
彼が止めなければ、それは即ち、彼が設定6を掴んだと言う事。
彼の実力は分からないが、ニューパルで減算値判別を行う程である、レベルが低い可能性は薄い。
完全に競争となった二人だが、お互いになかなか「当たり」が掴めない。
別にルールがある訳でもなく、示し合わせた訳ではないのだが、二人とも、判別が落ちなければ一台横の台にカニ歩いていく。
なので、少しずつ、二人の距離が縮まっていく。
何とも微妙な空気、えもいえぬ感覚が続く。
だが、お互い意識はしているものの、互いの挙動を凝視するような真似は一切せず、非常にスマート。
敵対するような雰囲気は一切なく、何なら、どこか心地良い匂いさえ醸し出していた。
そのまま判別は続き、互いに5台目に移動。
この5台目は、彼が先にBIGを引いた。
暫くすると、視界の左端に明らかに違和感。
先程までスマートに遊技していた彼が、こちらをずっと見ているのだ。
それに気づき視線を彼に向けると、申し訳なさそうな顔しながら、自分の打っている台を指さし、OKサインを出した後、両手で「6」と示してくれた。
そう。
判別が落ちた事を知らせてくれたのである。
別に、彼が僕に知らせる必要はない。
彼が打ち続ければ、即ちその台が設定6だと判断する予定だった。
だが、彼は、僕に無駄な投資をさせない為に、判別が落ちた事を知らせてくれたのだ。
どちらが先に6をツモるかの「勝負」だったハズが、どうにも清々しい気持ちにさせられてしまった。
ジェスチャーで知らせてくれた彼に、笑顔で会釈をし、僕は店を後にした。
と、非常に心地良く、今思い出しても「ほっこり」する出来事なのだが、このお話のタイトルは「最も後悔した話」である。
何を後悔しているかと言うと、
「彼に声を掛けなかった事」
である。
パチスロの実力もあり、とってもナイスガイな青年。
もし自分が設定6をツモッていれば、同じように彼に伝えていたと思う。
そいう言う意味では、思考も近く、分かりあえる人間同士だったかもしれない。
コーヒー片手に、
「教えてくれてありがとう、頑張って下さいね」
と、何故言えなかったのだろうか?
自分でも、どうしてなのか分からない。
もし話しかけていたら、今でも良い友人になれていたのだろうか?
この日の出来事は、獣王の設定6を捨てた時よりも、その何倍も後悔しているお話しである。
完