こんばんは!銀猿です。
前回は、過去10年の宝塚記念の全体像から、特徴的なデータを抽出してみました。
今回はレースの中心であり主役となる、一番人気馬について考察してみたいと思います。
低い勝率
宝塚記念の一番人気馬は、過去10年で、
勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|
20% | 50% | 60% |
と、勝ち切れない印象。
近5年は、2着が2回あるものの未勝利な上、着外が3回と、一番人気とは思えない成績。
クロノジェネシス危うしか?
ただ、近年の一番人気馬の成績が振るわないからと言って、それだけで今年も危険と言い切るのは流石に乱暴。
もう少し掘り下げてみましょう。
2016年・ドゥラメンテ
2015年のゴールドシップも着外に沈んでいますが、アレは世紀の大出遅れが主な原因なので、振り返る必要はないでしょう。
まずは2016年のドゥラメンテから。
皐月賞・ダービーの2冠馬であり、前走のドバイシーマクラシックでも2着と連対を確保。
この宝塚記念までの成績は5勝・2着3回とパーフェクト連対。
納得の一番人気でしたが、結果はマリアライトを捕まえられず2着。
連対を確保しているのですから、特に問題がないように思えますが、銀猿的には、この2着敗戦に宝塚記念の本質が表されているように感じます。
それは、
「宝塚記念が主流のレースではないから」
です。
この辺は、後日詳しく書きたいと思いますが、ダービー馬であり、父キングカメハメハであり、母父サンデーサイレンスであることが、宝塚記念ではプラスにならない。
僕は、宝塚記念とはそう言ったレース質なんだと考えています。
※推定敗因
日本競馬のど真ん中の馬だったから
2017年・キタサンブラック
このレースを迎えるまでに馬券圏外に飛んだのはダービーの一度だけという、2016年のドゥラメンテに負けず劣らずのパーフェクトな成績。
これまでに、3歳時に菊花賞。
4歳時に天皇賞(春)・ジャパンカップ。
そして5歳となった2017年は、大阪杯・天皇賞(春)を連勝してこの宝塚記念を迎えています。
誰が何と言おうと、問答無用の一番人気。
先行脚質でもあり、大崩れするシーンは全く想像出来ませんでしたが、結果は何と9着惨敗。
不可解な敗戦となりました。
敗因としては、稍重馬場や、GⅠ連勝の疲れなどが言われていましたが、銀猿的には、ここも2016年同様、宝塚記念の本質が表されているように感じます。
それは、
「気温の高い中でのGⅠ+梅雨」
です。
これについても後日考えを詳しく述べたいのですが、猛暑にさしかかる時期なのに、梅雨が明けておらず雨が多い6月末に施行されることが、キタサンブラックには堪えたのかもしれません。
2016年の宝塚記念で3着に入っていますが、この時も2017年と同じく稍重馬場。
ですが、勝ち馬のタイムは2016年=2分12秒8に対して、2017年=2分11秒4。
実に1秒4の開きがあります。
しかしキタサンブラックは、2016年=2分12秒8に対して、2017年=2分12秒7と、ほぼ同じ時計で走っています。
仮説として、気温が高く少し緩んだ馬場だと、キタサンブラックにはこの時計で走るのが精一杯だったのかもしれません。
※推定敗因
暑さにあまり強くなかったから
注)キタサンブラックは、7月と8月には一度も走っておらず、9月も下旬となる3歳時のセントライト記念(1着)のみ。
5月も2度しか走っておらず、4歳時の天皇賞(春)1着時と、ダービー(14着)。
ただ、4歳時の天皇賞は5月1日に対して、ダービーは5月31日。
暑さが原因だと考えるのも、あながち間違っていないかもしれません。
2018年・サトノダイヤモンド
2018年のサトノダイヤモンドは、元々「怪しい一番人気」だったと思います。
ダービー2着、菊花賞・有馬記念勝ちと、実績はありましたが、凱旋門賞惨敗のダメージからか、2018年は金鯱賞3着、大阪杯6着というローテで宝塚記念に参戦。
二番人気が、菊花賞馬ながら前走日経賞9着だったキセキ。
三番人気が、前走ドバイターフ2着があるものの、GⅠ勝ちは秋華賞のみだったヴィブロス。
印象的には「押し出された一番人気」と言ったところでしょうか?
そうでなくとも、
「ディープインパクト産駒×ダービー好走馬」
と、日本競馬の主流を駆け抜けてきた馬。
ドゥラメンテほどの実績馬でも負けてしまうレースを考えれば、6着敗戦も致し方なしだったのかもしれません。
※推定敗因
押し出された一番人気+主流の馬だったから
2019年・キセキ
菊花賞勝利後、ややスランプに入った印象があったものの、前年の毎日王冠から立て直し、天皇賞(秋)3着、ジャパンカップ2着と好走。
年が明けた大阪杯も2着と、復活の兆しを買われての一番人気でした。
個人的には、実績を見れば二番人気だったレイデオロの方が人気すると思いましたが、レイデオロが着外で、キセキが2着だったので、世間の目が正しかったことになります。
勝てなかったのは、本格化したリスグラシューが強過ぎた為であり、キセキに落ち度があった訳ではないでしょう。
※推定敗因
勝った馬が強過ぎたから
2020年・サートゥルナーリア
ホープフルSと皐月賞勝ちの実績。
前年有馬記念2着の後、年明け初戦の金鯱賞を0.3秒差圧勝のローテ。
納得の一番人気でしたが、4着に敗れてしまいました。
ダービーと天皇賞(秋)の敗戦から、
「何故か東京は走らない」
「左回りが苦手」
などと言われてましたが、
個人的には「軽い馬場が向かない、重い芝巧者」だと思っていたので、この4着敗戦は、キタサンブラックが負けた時と同じぐらい衝撃でした。
重い馬場巧者と言っても、稍重馬場は走れないタイプだったかもしれないので、単純に馬場悪化が原因のような気もしますが、この馬も暑さに弱かった可能性が捨てきれません。
2018年6月に走って勝っていますが、新馬戦でしたので、そこでは役者が違っただけだと思いますしね。
ただ、2秒1も負けてますし、クロノジェネシスを別格と考えても、2着のキセキからも1秒1離されてますから、負け過ぎですので、ここまで負けるのは、全く馬場が合わなかった可能性が高いですね。
※推定敗因
稍重馬場
まとめ
個人的な考察ですが、一番人気の敗因を考えてみました。
・暑さに弱かった
・押し出された一番人気だった
・勝った馬が強過ぎた
・馬場が合わなかった
コレらが的を得ているかは分かりませんが、僕はこの辺の考えを軸に、宝塚記念を予想していきたいと思います。
明日は、馬券になった人気薄の馬を考察します。